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写真をミニチュア風に加工する(チルトシフトレンズ風)

写真をミニチュア風に加工する方法を紹介します。もともとはチルトシフトレンズという特殊なレンズを使って撮影するものなのですが、画像加工でも再現することが出来ます。慣れてしまえば案外手早くつくれます。

画像加工のおおまかな流れ

先におおまかな作業の流れを書いておきます。詳しい説明は次の「画像加工の手順」からです。

【step-1】ぼかし効果をつける
【step-2】写真の周りを暗くする
【step-3】色調整

画像加工の手順

サンプル用のxcfファイルを用意してみました。
これを元に解説しますので、同じ画像で練習したい方はダウンロードしてみてください。

sample-tilt-shift.zip / 821KB

【step-1】ぼかし効果をつける

ミニチュア風写真の一番の特徴は、画像の外側が大きくボケているところです。
まずはこの特徴を再現していきましょう。

画像を開いたら、まず「クイックマスクの切り替え」ボタンをクリックしてクイックマスクモードに変更しましょう。(ショートカットは「Shift + Q」です。)この状態でマスクを作っていきます。

クイックマスクモードに変更する

【A】ツールボックスから「ブレンド」ツールを選び、
【B】描画色を「黒」、背景色を「白」にしましょう。
【C】そしてツールオプションの「グラデーション」の項目を「描画色から背景色」にし、
【D】「形状」の項目は「双線型」にしましょう。

ブレンドツールの設定が出来たら、ドラッグして下の図のようなグラデーションをつけましょう。最終的に赤い部分がボカシのかからない部分になります。

ブレンドツールを使ってマスクを作る

グラデーションを塗ったら、もう一度「クイックマスクの切り替え」ボタンをクリックしてクイックマスクモードを解除しましょう。そして画像ウインドウの上のメニューから、「フィルタ」「ぼかし」「ガウシアンぼかし」をクリックしましょう。

メニューから「ガウシアンぼかし」フィルタを選ぶ

「ガウシアンぼかし」ウインドウが出てきますので、
【A】「ぼかし半径」の項目を水平・垂直ともに「6px」に設定して
【B】「OK」ボタンをクリックしましょう。ぼかしをつけたらメニューから
【C】「選択」「選択を解除」をクリックして選択範囲を解除しておきましょう。
(ショートカットは、Shift+Ctrl+ A です)

ガウシアンぼかしウインドウでぼかし半径を設定し適用し、選択範囲は解除しておく

【step-2】写真の周りを暗くする

次は写真の周りが暗くなる効果を付けていきます。
この効果をつけることで写真の奥行きを強調することが出来ます。
「フリー素材配布:写真の周りを暗くする」の素材を使うと簡単にすることも出来ますが、
ここでは一つずつ手順を追って作っていきます。)

まずは新しいレイヤーを作ります。レイヤーダイアログの「元画像」レイヤーを選択した状態で、
【A】「新しいレイヤーを追加」ボタンをクリックして、「新規レイヤー」ウインドウを出して下さい。
【B】そして「レイヤー名」の項目を「周りを暗く」と入力して
【C】「OK」ボタンをクリックしましょう。一番上に新しいレイヤーが出来ます。

周りを暗くするためのレイヤーを追加する

次に今作った「周りを暗く」レイヤーを選択した状態でツールボックスから
【A】「楕円選択」ツールを選んで、どこでも良いので画像の上でドラッグして、
とりあえずテキトウな選択範囲を作って下さい。これをツールオプションで調整しましょう。
【B】「開始位置」の項目を「px」「40」「-40」
【C】「大きさ」の項目を「px」「560」「560」と入力しましょう。
これで「画像の真ん中に幅と高さが560pxの円の選択範囲」が出来た状態になります。

画像の真ん中に円の選択範囲を作る

【A】次はメニューから「選択」→「選択範囲を反転」をクリックしましょう。
これで画像の四隅を選択した状態になります。(ショートカットはCtrl+Iです。)
【B】この状態で、ツールボックスから「塗りつぶし」ツールを選び、
【C】描画色が「黒」のまま選択範囲の内側をクリックして黒く塗りつぶしましょう。

選択範囲を反転して画像の四隅を選択した状態にし、塗りつぶしツールで黒く塗りつぶす

四隅を黒く塗りつぶすことが出来たら、
メニューから「選択」→「選択を解除」をクリックして選択範囲を解除しておきましょう。
(ショートカットはCtrl+Shift+Aです。)

この状態で、メニューの「フィルタ」→「ぼかし」→「ガウシアンぼかし」をクリックして
「ガウシアンぼかし」ウインドウを表示しましょう。
【A】「ぼかし半径」の項目を「水平・垂直ともに200px」にして
【B】「OK」ボタンをクリックして適用して下さい。四隅の黒にぼかしがかかります。

四隅の黒にぼかしをかける

最後に「周りを暗く」レイヤーの「モード」「オーバーレイ」にしましょう。

「周りを暗く」レイヤーのモードをオーバーレイにする

【step-3】色調整

最後は色調整です。ここでのポイントは彩度を上げることです。実際のミニチュアは表面が塗装されて彩度の高い色使いになっています。これを色調整で再現していきましょう。

まずはレイヤーが重なっている状態をそのまま色調整するためにレイヤーをまとめます。メニューから「レイヤー」→「可視部分をレイヤーに」をクリックしましょう。見えてる部分をまとめた画像が新しいレイヤーとして追加されます。

全体を色調整するためにレイヤーをまとめる

次に、新しく出来た「可視部分コピー」レイヤーを選択した状態で、
【A】メニューから「色」→「色相・彩度」をクリックして「色相・彩度」ウインドウを表示させましょう。
【B】ここで「彩度」の項目を「100」にして、【C】「OK」ボタンを押して適用しましょう。

「色相・彩度」で彩度を100に設定する

次は明るさの調整です。コントラストを少し上げながら全体的に明るくしていきます。
【A】メニューから「色」→「レベル」をクリックして「レベル」ウインドウを表示させましょう。「入力レベル」の項目で両側のスライダーを内側に寄せるとコントラストが強くなり、真ん中のスライダーを左に寄せると全体的に明るくなります。
【B】ここでは数値で「10」「1.5」「200」に設定してみました。

レベルをつかってコントラストを上げながら全体的に明るく補正する

お疲れ様です。完成です!写真がミニチュア風の雰囲気になりました。慣れればそんなに時間もかかりませんし面白い効果が出るので色々な画像に試してみるのも楽しそうです。

完成!

加工前

おまけ

ミニチュア風の効果を写真ではなくイラストに試してみました。イラストの場合はもともと彩度が高いので彩度調整はしていません。それ以外は同じ手順で下の画像のようになりました。イラストでも立体感出てペーパークラフトのような雰囲気になりました。

完成!

加工前

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